正常な総胆管径を呈した膵・胆管合流異常症の1幼児例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Pancreaticobiliary Maljunction Without Bile Duct Dilatation in a Child With a Common Bile Duct of Normal Diameter
  • 症例報告 正常な総胆管径を呈した膵・胆管合流異常症の1幼児例
  • ショウレイ ホウコク セイジョウ ナ ソウタンカンケイ オ テイシタ スイ タンカン ゴウリュウ イジョウショウ ノ 1 ヨウジレイ

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説明

症例は嘔吐と腹痛を呈する1歳10カ月の女児.肝機能異常と高アミラーゼ血症で入院となった.腹部超音波検査で異常なく,CTで膵頭部に拡張した5mmの主膵管が描出された.MRCPで主膵管はSantorini管に連続し,十二指腸に開口していたがWirsung管は確認できなかった.ERCPにおいて総胆管は3mmと正常径で共通管が確認できた.以上より総胆管非拡張型膵管胆道合流異常症(以下,本症)と診断した.術中胆道造影で3mm径の総胆管が膵管に合流し18mm長の共通管が描出された.Santorini管,Wirsung管は十二指腸へ開口していた.総肝管前後壁を縦方向に切開し肝管空腸吻合術を行った.自験例の様に総胆管が正常径を呈する本症は稀である.本症は胆嚢癌の発生率が高く,治療は胆嚢摘出術か分流手術かで分かれている.小児は自験例の如く膵炎様症状で発症することが多く,我々は分流手術を選択し順調に経過した.

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参考文献 (14)*注記

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