新生児破裂肝芽腫の1例

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タイトル別名
  • Spontaneous Rupture of Hepatoblastoma in a Neonate
  • 症例報告 新生児破裂肝芽腫の1例
  • ショウレイ ホウコク シンセイジ ハレツ カン ガ シュ ノ 1レイ

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抄録

肝芽腫の主症状は腹部腫瘤や腹部膨満であり,腫瘍破裂はまれである.今回われわれは破裂肝芽腫の1症例を経験した.症例は日齢4の男児で在胎37週5日,自然分娩で出生し,腹部膨満を主訴に当院NICUに収容された.左上腹部に腫瘤を触知し,腹部超音波,MRIなどの諸検査より肝左葉から肝外性に発育した肝芽腫と診断した.手術待機中,腫瘍破裂および腹腔内出血によるショックを来たし,緊急手術にて肝左外側区切除術を行った.術後,JPLT-91A2プロトコール1/2量で化学療法を6コース行い,術後1年7カ月の現在,成長発育に問題なく,再発を認めていない.文献的に検索しえた本邦における破裂肝芽腫は19例で,破裂症例と非破裂症例の間で年齢分布,腫瘍径に差はなかった.19例中9例が開腹・肝切除術により,5例が肝動脈塞栓療法により止血・救命されていた.死亡例のうち4例は開腹術,肝動脈塞栓術に至らず,1例では塞栓療法が施行されたが止血を得られなかった.

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参考文献 (34)*注記

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