小児外科疾患が家庭に及ぼす影響 : 離婚した母親6名におけるpilot study

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タイトル別名
  • The Impact of Pediatric Surgical Diseases on the Parental Life From the Questionnaires to Divorced Mothers
  • ショウニ ゲカ シッカン ガ カテイ ニ オヨボス エイキョウ リコン シタ ハハオヤ 6メイ ニ オケル pilot study

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抄録

【目的】小児外科疾患の中には長期入院や退院後の長期外来通院を必要とする疾患も多く,長期に診療を行う過程で離婚をされる家庭もあり,長期治療の影響が懸念される.そこで離婚した母親のアンケート調査から,長期加療を要する小児外科疾患が家庭環境に及ぼす影響を検討した.【対象および方法】当科において長期入院加療を受け現在も継続して加療中の患児の母親で,我々が離婚されたと知りうることができた母親6名に,事前に電話にてインタビューを行い,了解を得た5名にアンケート調査を施行した.アンケート項目は,1)離婚に関して,2)病院に関して,3)公開の是非で,患児の疾患はCIIPS,短腸症候群,cloaca,小腸閉鎖,鎖肛であった.【結果】1)離婚に関しては,子供の疾患が離婚の直接の原因であったとの返答はなく,思わないが2名,どちらともいえないが3名であった.長期入院で離婚の危機感をもったのは1名で,2例はそうではなく,2例はどちらともいえないという返事であった.しかし,長期入院が離婚に影響を与えたとの返事が3名からあった.2)病院に関して,完全看護を必要だと思う母親は2名で,思わないは3名であった.また,病院に対する要望として,長期入院時の大部屋での同室者がいる苦痛や,父親に対する介護指導や教育の必要性が寄せられた.【まとめ】小児外科疾患が離婚の直接の原因ではないとの返答であったが,長期入院生活が及ぼす影響は大きいものと考えられた.父親の教育や指導を希望する要望があったことは,今後の小児外科医療に対する課題が提示されたものと考えられた.

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