小児特発性縦隔気腫8例の臨床的検討

  • 古田 繁行
    聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院小児外科:聖マリアンナ医科大学外科学・小児外科
  • 脇坂 宗親
    聖マリアンナ医科大学外科学・小児外科
  • 川瀬 弘一
    聖マリアンナ医科大学外科学・小児外科
  • 島 秀樹
    聖マリアンナ医科大学外科学・小児外科
  • 佐藤 英章
    聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院小児外科
  • 浜野 志穂
    聖マリアンナ医科大学外科学・小児外科
  • 長江 秀樹
    聖マリアンナ医科大学外科学・小児外科
  • 青葉 剛史
    聖マリアンナ医科大学外科学・小児外科
  • 北川 博昭
    聖マリアンナ医科大学外科学・小児外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Clinical Study of Eight Children With Spontaneous Pneumomediastinum
  • ショウニ トクハツセイ ジュウカクキシュ 8レイ ノ リンショウテキ ケントウ

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抄録

【目的】特発性縦隔気腫は胸痛や軽度の呼吸困難を主訴とし,明らかな原因なくして画像上気縦隔を呈する稀な疾患である.当施設で経験した特発性縦隔気腫患児を対象に臨床像の詳細を後方視的に検討し,患児の取扱い指針を考案した.【方法】過去5年間に特発性縦隔気腫の診断で入院した8例を対象に,患児個々の臨床像の詳細について病歴を調査し,診断と治療指針について検討した.【結果】患児の年齢は13-16歳(平均15歳)で,男児7例,女児1例であった.8例中3例の誘因は不明で,5例は運動競技中に大声を発した後に発症した.症状は,胸痛6例,頸部痛3例,咽頭痛2例,胸部違和感2例,嚥下困難1例であり,4例に皮下気腫を認めた.8例中6例(75%)はX線単純写真上の気縦隔像を認めたが,X線CTでは全例に気縦隔像が描出され,画像診断に至った.7例に食道造影を施行し食道損傷を否定した.入院期間は平均5日であり,全例が保存的治療により治癒し,再発は認めていない.【考察】本疾患は稀であるが,その存在を念頭に入れれば,臨床症状と画像検査により診断は可能であり,発症後早期に緊張性縦隔気腫や食道穿孔に伴う重篤な縦隔気腫と鑑別することが肝要である.確定診断後は自然治癒を期待して安静保持のみでよいが,症状・所見が増悪する場合は原因検索を繰り返し行なう必要がある.

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参考文献 (11)*注記

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