先天性胆道拡張症と胆道閉鎖症(I cyst)との鑑別が困難な胆道奇形の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Rare Anomaly of the Biliary Tree in an Infant : Biliary Atresia or Congenital Biliary Dilatation?
  • 症例報告 先天性胆道拡張症と胆道閉鎖症(Ⅰ cyst)との鑑別が困難な胆道奇形の1例
  • ショウレイ ホウコク センテンセイタンドウ カクチョウショウ ト タンドウ ヘイサショウ(Ⅰ cyst)ト ノ カンベツ ガ コンナン ナ タンドウ キケイ ノ 1レイ

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説明

肝門部に嚢胞を形成し,肝内胆管の開存がある胆道閉鎖症は葛西分類ではI cystとして分類される.I cystは肝門部に嚢胞状胆管拡張があり,閉塞部位は必ず総胆管で,十二指腸との間に交通がないと明記されている.今回我々は,最初はI cystの胆道閉鎖症と考えられたが十二指腸への交通も認め,診断・分類に苦慮した胆道奇形の1症例を経験したので報告する.症例は2か月女児.日齢77に黄疸,白色便を主訴に受診し,胆道閉鎖症の疑いで日齢80に手術を施行した.術中胆道造影では肝管は嚢胞状に拡張し,I cystの胆道閉鎖症と思われたが,総胆管は開存し十二指腸内への造影剤の流出も確認された.術中造影や病理所見から我々は本症例を胆道閉鎖症と考えたが,I cyst,III型のどちらにも当てはまらず病型分類不能であった.現行の葛西分類において当てはまらない症例に対して,今後の分類方法について議論していく必要があると思われた.

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参考文献 (16)*注記

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