胸壁内外に進展し呼吸器症状にて発症した脂肪芽腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Lipoblastoma Penetrating the Chest Wall Presenting With Respiratory Symptoms
  • 症例報告 胸壁内外に進展し呼吸器症状にて発症した脂肪芽腫の1例
  • ショウレイ ホウコク キョウヘキ ナイガイ ニ シンテン シ コキュウキ ショウジョウ ニテ ハッショウ シタ シボウ ガ シュ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

脂肪芽腫(本症)は若年時に好発する良性脂肪性腫瘍である.今回,呼吸器症状で発症した本症の1例を経験したので報告した.症例は7歳男児.半年前より続く咳嗽にて近医を受診,右側胸部の腫瘤を指摘され当科に紹介された.胸部X線写真,CTにて右側胸部から肋間を貫き縦隔に達し,気管を圧排する巨大な腫瘍を認めた.腫瘍生検により本症と診断し,腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は内外肋間筋間から発生したと思われ,全摘が可能であった.腫瘍が巨大であること,年齢が比較的高いこと,腫瘍の染色体核型に本症に特徴的な所見を認めないことから脂肪肉腫との鑑別を検討したが腫瘍の形態,病理組織学的所見より本症と診断した.術後4年10か月現在,再発の徴候はない.本症の本邦報告例の発症年齢と発生部位を検討した.肉眼的に全摘された症例でも再発の報告があり,長期に渡る経過観察が必要である.

収録刊行物

参考文献 (23)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ