新生児精巣捻転症の1例 : 特に超音波所見についての考察

  • 甲斐 裕樹
    国立病院機構九州医療センター小児外科
  • 松尾 進
    国立病院機構九州医療センター小児外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Neonatal Testicular Torsion : Diagnosis by Ultrasonography
  • 症例報告 新生児精巣捻転症の1例 : 特に超音波所見についての考察
  • ショウレイ ホウコク シンセイジセイソウ ネンテンショウ ノ 1レイ : トクニ チョウオンパ ショケン ニ ツイテ ノ コウサツ

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抄録

左陰嚢の無痛性腫瘤で当科紹介となり,画像所見より精巣腫瘍を疑い2日後に精巣摘出術を施行した新生児症例を経験した.摘出した精巣は広汎にわたる出血性梗塞を呈しており,捻転による精巣壊死と考えられた.新生児精巣捻転症の発症機序は,陰嚢内容が陰嚢皮膚・皮下組織に癒着・固定する以前に精巣鞘膜ごと捻転する場合が大半を占め,精巣鞘膜腔の形成異常に起因する非新生児症例のそれとは異なる.出生前の発症では,急性陰嚢症の所見に乏しく診断は困難で,精巣救済率も低い.超音波検査による精巣血流の確認では診断を誤ることがあり,発生時期の明確でない新生児症例では精巣実質の性状の確認が有用である.エコー輝度が均一であれば,精巣を救済できる可能性が高く,緊急で捻転解除を行うが,同時性両側症例も少なくないため対側病変を見逃さない注意が必要である.

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参考文献 (17)*注記

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