新生児低酸素性脳症の重症度及び予後判定におけるCTの役割

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タイトル別名
  • ROLE OF COMPUTED TOMOGRAPHY IN ESTIMATION OF SEVERITY AND PROGNOSIS IN NEONATAL HYPOXIC ENCEPHALOPATHY
  • 新生児低酸素性脳症の重症度及び予後判定におけるCTの役割〔英文〕
  • シンセイジ テイ サンソセイ ノウショウ ノ ジュウショウド オヨビ ヨゴ ハ

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抄録

新生児低酸素性脳症におけるCT所見とApgar scoreとの相関を求めるため, 新生児期におけるCT上のperiventricular hypodensityの程度から後におこり得る後遺症を予測する事が可能であるか否かを知るため, 生後1分後のApgarscoreが5以下であった53例の小児のCT像を検討した.1分後のscoreについて0~3と4~5の2群に便宜上分けCT像を比較した.更にその53例の5分後のscoreについて0~5と6~10に便宜上分け同様にCT像を比較した.その結果5分後のscoreが比較的悪い群 (0~5) において初期の頭蓋内出血及び後の脳の異常の出現頻度が高い事が分った.1分後と5分後scoreとでは5分後のそれの方が, 重症度及び予後のための良い指標である事が確められた.<BR>periventricular hypodensityは病理学的なperiventricular leucomalaciaそのものか又はその前段階の状態を示すものと考えられる.精神神経学的後遺症を持つ5例と後遺症を持たず経過中正常CT像に回復した無作為抽出の5例との問で, 初期のperiventricular hypodensityの程度を比較したが期待に反し差がなかった.それ故新生児低酸素性脳症の重症度及び予後判定のためには, 生度数カ月の問反復してCTを検査する必要がある.後遺症を持つ5例において, 初期のCTでクモ膜下出血がやや高率に認められ, 経過中脳萎縮が認められたが, 臨床症状と脳の器質的変化との関係については, 症例を重ね今後CTによりより明確に求められる事が期待される.

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