食道にみられたOat cell type小細胞性未分化癌の一例

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  • A CASE OF OAT CELL CARCINOMA OF THE ESOPHAGUS

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抄録

食道原発の小細胞性未分化癌 (以下, 小細胞癌) は稀な腫瘍であり, その予後は極めて不良である.最近, われわれは66歳女性の本症例を経験し, 各種材料について病理組織学的に検索する機会を得たので報告する.生検時, 病理診断名はoat cell type小細胞癌で, 電顕的に腫瘍細胞内に神経分泌顆粒 (N.S.G.) を認めた.上記診断のもとに放射線治療を施し, 腫瘍の縮小化を認め, その後, 外科手術療法を行なった.手術時, 局所の腫瘍はコントロールされていたものの, 3群を越えたリンパ節転移がみられた.手術材料の病理所見は生検時とは異なり腫瘍細胞に大型化がみられた.電顕ではN.S.G.をみたが, その減少傾向があった.その後, 患者は腫瘍の全身転移および呼吸不全のため全経過11カ月にて死亡した.剖検時, 腫瘍細胞は光顕的に手術時のものと似ていたが.電顕的にN.S.G.がみつからなかった.経過中, 腫瘍細胞にみられた形態的変化は以前から報告されている本腫瘍の生物学的特徴を考慮すると, 放射線および化学療法による修飾によると考えられた.

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