機械吻合による結腸直腸側端吻合術
書誌事項
- タイトル別名
-
- SIDE TO END ANASTOMOSIS IN RECTAL CANCER BY PCEEA INSTRUMENT
この論文をさがす
説明
消化管のステープル機械吻合器End to End Anastomosis (以下EEA) の出現は, 低位直腸の吻合操作を容易にしたが, EEAでさえも直腸の再建では吻合部が低位であればあるほど操作は難い.PREMIUM CEEA Stalpers (以下PCEEA) はアンビルシャフトがセンターロッドと分離可能になったEEAの新機種である.われわれはこの改良されたEEAの操作性を駆使して, 1947年にBakerらによって行なわれた結腸直腸側端吻合術を機械吻合に導入して極めて簡単に吻合を作成できる工夫をした.手術適応は中部および上部直腸癌の再建に行なわれ, 直腸と結腸の吻合で, 両断端の口径差が大きい場合, さらに腹腔内でのみ吻合操作を行なう場合などが適応となる.手術手技は肛門側直腸断端の巾着縫合の設置, 肛門側断端にアンビル部の挿入, 口側の処理, センターロッドの連結, 吻合操作, 本体の作動, 機械の抜去, 吻合部の確認, 結腸断端の閉鎖の手順で行なう.われわれは直腸の機械吻合には従来の端々吻合のほかにダブルステープリング法そして今回紹介した側端吻合法を使い分けているが, 本術式で行なった1988年似来の臨床例の検討では12例中, 縫合不全やその他の合併症はなかった.Bakerが本術式の利点としてあげているのは手術手技が簡単であること, 吻合部の縫合不全が少ない, そして大きな吻合口が得られることとしている.われわれはさらに全操作が腹腔内から行なえるためあらためて砕石位をとる必要がないことを上げる.臨床的にまた実験的に吻合部の術後の耐圧度は実験的に見ても他の術式と差異は無い.また文献的にも吻合部の血流は良好であるとされている.
収録刊行物
-
- 昭和医学会雑誌
-
昭和医学会雑誌 50 (6), 639-645, 1990
昭和大学学士会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282679811943424
-
- NII論文ID
- 130001827806
-
- ISSN
- 21850976
- 00374342
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可