頸椎後縦靭帯骨化症の脊髄内応力解析静的圧迫と動的圧迫の検討

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  • Cervical Ossification of the Posterior Longitudinal Ligament: Biomechanical Analysis of the Influence of Static and Dynamic Factors.
  • ケイツイ コウジュウ ジンタイ コッカショウ ノ セキズイナイ オウリョク カイセキ セイテキ アッパク ト ドウテキ アッパク ノ ケントウ ミニ レビュー ナカムラショウ ジュショウシャ
  • 中村賞受賞者 頸椎後縦靭帯骨化症の脊髄内応力解析 静的圧迫と動的圧迫の検討
  • ナカムラショウ ジュショウシャ ケイツイ コウジュウ ジンタイ コッカショウ ノ セキズイ ナイオウリョク カイセキ セイテキ アッパク ト ドウテキ アッパク ノ ケントウ

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抄録

<p>【目的】頸椎後縦靱帯骨化症(OPLL)は進行すれば重篤な障害をもたらす.脊髄症発症のリスクとして,有効脊柱管前後径が減少するような静的圧迫が存在すると脊髄症を発症するリスクが高く,脊柱管径が広くとも椎間可動性を伴うような動的因子を伴う症例においても脊髄症が発症すると言われている.今回頸椎OPLLの静的圧迫と椎間可動性による動的圧迫を伴う頸椎OPLLに関して有限要素モデルを作成し,力学的に検討した.【方法】有限要素解析ソフトAbaqus /CAE を使用し,3次元脊髄モデルを作成した.脊髄前方に頚椎OPLLモデル,後方に頚椎椎弓モデルを設置,OPLLで脊髄に前後径10%,20%及び30%の圧迫を加えた.また,圧迫レベルでOPLLに不安定性があると想定し,OPLLを10%の圧迫を加えている状態で5°,10°及び15°屈曲方向に回旋変位を加えた.【結果】30%圧迫モデルでは,脊髄全体に応力上昇を認めたが,10,20%圧迫モデルでは脊髄内の応力上昇は軽度であった.また,軽度の静的圧迫であっても5°,10°,15°と屈曲が大きくなるにつれ脊髄内応力が上昇し,10°以上の可動性で30%圧迫モデルと同等の脊髄全体への応力上昇を示した.【考察】頸椎OPLLにおいて,静的因子と動的因子による症状発現が指摘されている.今回の解析から,脊髄径30%の圧迫で脊髄内への応力上昇を認めたことから,脊髄の静的圧迫が強くなれば症状が発現する可能性が示唆された.一方動的因子を伴う10%の静的圧迫により脊髄内応力が上昇したことから,静的因子と動的因子が症状の発現に関与することが示唆された.静的圧迫が脊髄の10%以上で10°以上の椎間可動性を伴う症例では注意深い経過観察が必要であると考えられた.</p>

収録刊行物

  • 山口医学

    山口医学 66 (1), 11-16, 2017

    山口大学医学会

参考文献 (21)*注記

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