著明な乳頭状発育を示した食道癌の一例

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  • A CASE OF ESOPHAGEAL CANCER WITH MARKED PAPILLOMATOUS GROWTH

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抄録

われわれは, 食道管腔をほぼ充満する著明な乳頭状発育を示し, 深達度はほとんどがmで, わずかに一部pm浸潤を認める食道癌を経験したので報告する.症例は69歳女性で, 昭和62年9月19日胸やけと前胸部痛を主訴として当科関連病院に入院した.上部消化管X線検査で中部食道に基部5.5cm, 長径9.5cmの表面凹凸著明な広基性の腫瘤を認めた.腫瘤の口側, および肛門側の食道辺縁は滑らかで伸展良好であり, 内視鏡検査で腫瘤表面は易出血性であった.生検にて高分化型扁平上皮癌と診断され, 食道癌根治手術が施行された.新鮮切除標本にて, 中部食道に8.5cmのカリフラワー状腫瘤を認め, 割面で癌組織は乳頭状に発育し, 深達度は大部分がmで, 腫瘤の茎部のわずか一部にpmを認めたが, 脈管侵襲およびリンパ節転移は認めなかった.食道癌のX線所見, 病理組織学的所見, および予後との関連につき, 若干の文献的考察を加え報告する.

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