運動様式および運動後の水分補給が血液流動性に与える影響

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タイトル別名
  • EFFECTS OF PHYSICAL EXERCISE AND WATER INTAKE ON BLOOD FLUIDITY
  • ウンドウ ヨウシキ オヨビ ウンドウゴ ノ スイブン ホキュウ ガ ケツエキ リュウドウセイ ニ アタエル エイキョウ

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説明

近年, 健康の維持増進を目的として生活習慣を整えることが重要視されており, 特に日常生活に運動を取り入れることが有効であると提唱されている.本研究では, 血液流動性を指標として, 異なる運動様式および運動後の水分補給が血液流動性に与える影響について検討した.被検者は, 健康な成人男性24名であり, それぞれ6名ずつ無酸素運動+非摂水群, 有酸素運動+非摂水群, 有酸素運動+100mL摂水群, 有酸素運動+500mL摂水群の4群に分けた.血液流動性の評価には, MC-FAN (Micro channel array flow analyzer) を使用した.その結果, 全ての群において運動後に血液流動性の有意な低下がみられた.無酸素運動+非摂水群においては, 運動30分後に運動前の値に復帰した.しかし有酸素運動+非摂水群においては, 運動30分後の血液流動性の回復は認められなかった.一方, 有酸素運動+500mL摂水群では運動30分後に血液流動性は運動前の値に回復した.有酸素運動+100mL摂水群では運動30分後の血液流動性回復は認めなかった.これらの結果は凝固阻止薬として血小板凝集に影響を与えないヘパリンを用いた場合に認められ, 凝固阻止に加えて血小板凝集も阻止するEDTAを用いた場合には一定の結果はみられなかった.以上のことから, 無酸素運動後の血液流動性低下からの回復に水分摂取は必要ないが, 有酸素運動を行った後の血液流動性の低下からの回復には一定量以上の水分摂取が有効であることが示唆された.また血液流動性変化の原因としては, 赤血球変形能やHtの低下よりも血小板凝集能の亢進の影響が主な要因であると示唆された.

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