昭和14年度流行性腦炎 (小兒) の臨牀的觀察

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抄録

余等は昭和14年度外來竝に入院患者中の腦炎患者, 殊に夏期流行性に發病せる腦炎患者に就て, 臨牀所見竝に腦脊髓液檢査を比較的詳細に觀察したり.<BR>然してその得たる成績を昭和10年, 昭和13年度流行時に際して得たる成績と比較觀察したり.特に昭和14年度流行のものに異なれる症候を見出し能はざりき.且つ毎年の經驗なれさも, 特に顯著なる腦炎にのみ特有なりと云ふ症候を見出し能はざりしも, 今年度に於ては, 例年より詳細に腦脊髓液の糖量た測定し, 腦炎極期に於て糖量は増加し, 治癒し能はす死亡するものは比較的早期且つ急激に正常以下に減じ, 又發病2週以後に到り正常値以下に減少するものは比較的長き經過をとり, 且つ後遺症を殘存する恐れあるものなるござを知り得たり.<BR>治療方法として, 成人血清の脊髄管腟内注入を試み, 試みざるもの芝比較觀察したるも, 有效適確と云ふ能はず.然れ共, 時には非常に有效なりしと思はれし例ありたり.注入量, 注入時期に就て尚ほ一層研究せんざするものなり.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679812674432
  • NII論文ID
    130001821003
  • DOI
    10.14930/jsma1939.2.132
  • ISSN
    21850976
    00374342
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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