昭和14年東京地方に流行せる流行性腦炎の腦脊髓液糖量竝びに血糖量の相互的關係に就て

DOI

抄録

昭和14年東京地方に流行せる流行性1炎の腰脊髄液糖量, 竝びに血糖量に就て述べ更に同時採取時に於ける腦脊髄液糖量と血糖量の相互的關係に就て述べたり.その成績中主要なうものを摘録すれば次の如し.<BR>1.膿脊髄液糖量は最小24mg%, 最大138mg%, 平均64mg%なり.<BR>2.獲病第1週間には腦脊髄液糖量は正常以下なるもの1例, 正常なるもの11例, 増加せるもの13例, にして増加せるもの多し.<BR>3.各病日に於ける腦脊髄液含糖量平均値は第2病日は65mg%にして生理的動揺範園内にあり第3, 第4病日と漸次増加し, 第4病日は83mg%で最高々示し, 其の後漸次少し, 第7病日以後は生理的動揺範園内に復する.<BR>4.治癒例と死亡例と後遺症例との間に腦脊髄液含糖量に著しき相違を認めざりき.唯だ發病2週目以後に後遺症を残せし者に糖量減少せうもの4例ありたり.<BR>5.父, 母血瀞髄腔内注者と非注入者の間, 又痙攣, 嗜眠状態, 嘔吐, 豫後等腦脊髄液糖量との間に一定の關係を見だし得ざりき.<BR>6.血糖量は最小60mg%, 最大132mg%平均87mg%を示せり.<BR>7.同時採取時に於ける血糖量と膿脊髄液糖量との比は0.7-3.0: 1にし平均1.4: 1を示せり.2例に於ては磯脊髄液糖量は血糖量より増加せるを見たり.<BR>8.痙攣により, 血糖量は減少したるも, 腦脊髄液糖量は減少著明ならざりき.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679812733440
  • NII論文ID
    130001820994
  • DOI
    10.14930/jsma1939.2.20
  • ISSN
    21850976
    00374342
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ