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- 神宮 俊哉
- 昭和大学医学部リハビリテーション医学診療科
書誌事項
- タイトル別名
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- THE STUDY OF RISING MOTION
- オキアガリ ドウサ ノ ケントウ
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説明
ベッドとふとんからの起き上がり動作を科学的に解明することにより, 患者の能力に適した動作指導と環境整備が可能になると考え, 本研究を行った.実験を1~3まで行った.実験1は, 起き上がり動作の分類を行うためビデオカメラで, ベッドとふとんからの動作 (仰臥位から立位まで) を記録した.それらを四肢と体幹の動きに注目して分類した.対象は, 25~85歳 (平均53.5歳) , 男性20名女性23名である.実験2は, 実験1により分類された動作を表面筋電図で検討した.検討した筋は, 腹直筋, 大殿筋, 大腿四頭筋, ハムストリングス, 傍脊柱筋, 上腕二頭筋, 上腕三頭筋である.それらを双極誘導し, マルチテレメーターシステムWEB-5000 (日本光電製) を用い増幅し, 得られた筋電波形をMacLab8Sにて解析した.対象は健常男子6名 (平均28.5歳) である.実験3は, 実験1により分類された動作の体幹関節可動域を3SPACE-WIN (POLHEMUS社製) を使用し計測した.計測は, 3端子を第一胸椎, 第五腰椎, 仙椎上に固定した.屈曲角度は, 第一胸椎と第五腰椎を結んだ直線と第五腰椎と仙椎を結んだ直線がなす角を計測した.体幹回旋角度は, 第一胸椎の回旋角度を計測した.対象は健常男子6名 (平均29.8歳) である.実験1よりベッドから上体を起こすまでを3種類, 立ち上がるまでを3種類に分類した.床からの動作も上体を起こすまでを3種類, 立ち上がるまでを3種類に分類した.それぞれの動作で年齢により多くなる動作と少なくなる動作がみられた.実験2では, 年齢により特徴的な動作に関して解析した.また, ベッドからの動作と床からの動作で同様と考えられる動作もあり, 計5動作について記録した.動作により, 動作時間と筋収縮の順序に差がみられた.実験3では, 実験2と同様に5動作に対して計測した.屈曲角度は, ベッドからの動作では有意な差が見られず, 床からの動作でも同様であった.回旋角度は, ベッドからの動作間で有意な差が見られ, 床からの動作でも同様に有意差が見られた.動作時間は年齢による敏捷性の変化に関与していると考えられる.動作により使用される筋には差がないが, その持続時間に差があり, 動作の効率性がよい方法があると考えられた.体幹可動域は, 屈曲角度で25~35度, 回旋角度で25~40度が必要であると考えられた.加齢により動作の個人差があり安楽な動作を推奨すべきではない場合もある.
収録刊行物
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- 昭和医学会雑誌
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昭和医学会雑誌 61 (2), 233-241, 2001
昭和大学学士会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679813033216
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- NII論文ID
- 130001823026
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- NII書誌ID
- AN00117027
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- ISSN
- 21850976
- 00374342
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- NDL書誌ID
- 026090057
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可