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- 池野 美恵子
- 昭和大学医学部大学院医学研究科病理系第二薬理学
書誌事項
- タイトル別名
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- STUDIES ON MONOAMINE OXIDASE (REPORT 51)
- Monoamine Oxidaseに関する研究-51-犬血清MAOに対するTris(hydroxymethyl)aminomethaneの影響
- Monoamine Oxidase ニカンスルケンキュウ 51 イヌ ケッセイ
- EFFECTS OF TRIS (HYDROXYMETHYL) AMINOMETHANE ON MAO ACTIVTY IN DOG SERUM
- 犬血清MAOに対するTris (hydroxymethyl) aminomethaneの影響
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抄録
McEwenの方法を2, 3改良して犬血清MAOに対するTris (hydroxymethyl) aminomethane (Tris) の影響を検討した.Trisは部分精製した犬血清MAO活性を強く阻害し, 10mMで75%, 1mMで31%であった.このTrisの阻害度はnialamideの1/10, catronの1/1000であった.またTrisは家兎血清MAO活性に対して僅かな阻害作用を示したものの, 牛血清MAO活性, 人血清MAO活性, 犬肝臓, 腎臓, 脳中のmitochondria MAO活性に対しては全く影響を及ぼさなかった.犬血清MAOに対するTrisの阻害作用は経時的に変化せず, 透析で完全に取り除かれる, 明らかに可逆的な作用である.またLineweaver-Burkの両軸逆数プロットによりその阻害機構を検討してみたところその作用は明らかにnoncompetitiveであった.また犬血清MAOの基質特異性においてbenzylamineを基質とした場合その活性が最も高く, 次いでbutylamine, amylamine, β-phenylethylamineのll頂となりtryptamine, serotoninにおいてはほとんど活性は認められなかった.さらに種々基質におけるTrisの影響でをま, benylamine基質の場合最も強い阻害効果が認められbutylamineがそれに次ぎ, β-phenylethylamine, tyramineではほとんど阻害が認められなかった.以上のことよりTrisが犬血清MAOに対して極めて特異的に作用し, またその阻害機構がnoncompetitiveなものであることから, 犬血清MAOは他の動物の血清MAOとは明らかに異なった性格のものであることが示唆された.
収録刊行物
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- 昭和医学会雑誌
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昭和医学会雑誌 37 (4), 347-352, 1977
昭和大学学士会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679816083328
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- NII論文ID
- 130001822987
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- NII書誌ID
- AN00117027
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- ISSN
- 21850976
- 00374342
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- NDL書誌ID
- 1912688
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可