直腸癌術後異時性腹直筋転移の1切除例

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  • A CASE OF RECTUS ABDOMINIS MUSCLE METASTASIS ORIGINATING FROM A RECTAL CANCER

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抄録

症例は48歳,男性.2006年4月,直腸癌に対し低位前方切除術,D2リンパ節郭清,DST(Double Stapling Technique)再建を行った.総合所見はRb,2型,17×17mm,tub1,pMP,pN0(0/16),ly0,v1,sH0,sP0,cM0,Stage Iであった.術前正常域であったCEAが術後1年9カ月で上昇したため,上部・下部消化管内視鏡検査,CT検査を行ったが明らかな再発を認めなかった.PET/CT検査で腹直筋に集積を認め,CTガイド下針生検で腺癌であったため2008年5月,手術を施行した.腹水,腹膜転移,肝転移,腸間膜リンパ節転移を認めず,恥骨直上の腹直筋に径4cm大の硬結を触知した.前回の開腹創との連続性は明らかでなく,腹腔内への露出はなく,直腸癌術後腹直筋転移と診断し,腹直筋部分切除術およびメッシュを用いた腹壁再建術(inlay mesh repair)を行った.病理診断は直腸癌腹直筋転移に矛盾しない所見であった.術後補助化学療法としてFOLFOX4を6クール終了後,経口抗癌剤UFT/UZELを内服しているが,術後1年5カ月で再発はなくCEAは正常化した.

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