胃局所切除術により劇的に改善した蛋白漏出性胃癌の1例

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  • A CASE OF PROTEIN-LOSING GASTRIC CANCER TREATED BY PARTIAL RESECTION OF THE STOMACH

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抄録

症例は82歳,男性.下腿浮腫,息切れを主訴として当院入院となった.入院時の血液検査では低蛋白血症(TP 5.0g/dl,Alb 3.0g/dl)を認め,上部消化管造影検査および内視鏡検査で,胃体上部前壁小彎にカリフラワー状の隆起性病変を認め,生検で高分化型腺癌と診断した.絶食下に高カロリー輸液,アルブミン製剤の投与を行ったが低蛋白血症が進行したため(TP 3.9g/dl,Alb 2.1g/dl),蛋白漏出性胃癌の診断のもと,胃局所切除術を施行した.病理組織学的には壁深達度m,stageIAの早期癌であった.術後低蛋白血症は劇的に改善し,下腿浮腫,息切れも消失した.現在術後7年を経過し,再発なく良好に経過している.本邦では,蛋白漏出性胃癌の報告は稀であり,数十例の報告のみである.治療は早期の手術が有効であるが,ほとんどは広範囲胃切除術が施行されており,胃局所切除が施行されたのは自験例で2例目であった.

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