後腹膜の傍大動脈領域にみられた神経鞘腫の1例

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  • A CASE OF PARAAORTIC SCHWANNOMA OF THE RETROPERITONEUM

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抄録

症例は54歳,男性.偶然発見された後腹膜腫瘍の精査のため,他院より紹介となった.腫瘍は腹部大動脈と左腎の間に存在し,US,CTにて辺縁は明瞭,内部不均一であり,MRIでは嚢胞状の部分がみられた.血管造影検査では乏血流性,PET-CTにてはFDGの集積は認めなかった.良性の神経原性腫瘍が考えられたが,診断は確定せず,外科的切除が行われた.手術時,腫瘍は交感神経幹と連続していた.組織学的には良性の神経鞘腫であり,断端には既存の神経節細胞を認めた.<BR>神経鞘腫は末梢神経のschwann細胞から発生する腫瘍であるが,腹部交感神経幹由来とする報告例は本邦にはみられなかった.肉眼的,組織学的に腹部交感神経幹からの発生が同定された極めて稀な症例である,傍大動脈領域の神経鞘腫の1例を報告する.

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