乳癌腹膜播種再発・消化管転移に伴う腸閉塞の1例

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  • A case of ileus associated with recurrent peritoneal dissemination and metastasis to the gastrointestinal tract of breast cancer

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説明

症例は56歳,女性.腹部膨満感を主訴に,当院救急外来を受診した.なお既往歴で42歳時に左乳癌にて手術治療があった.来院時現症として,腹部の膨満と軽度の圧痛を認めるのみであった.腹部単純X線検査でイレウス像を認めた.腹部CT検査では,S状結腸に閉塞起点を認める腸閉塞の所見であった.下部消化管内視鏡検査ではS状結腸に全周性の狭窄を認めたが,粘膜面に明らかな腫瘍性病変を疑わせる所見は認めなかった.手術所見では,腹腔内に多数の白色小結節を多数認め,腹膜播種と診断した.S状結腸は非常に小範囲で狭窄を認めた.両側卵巣は粗大顆粒状の白色結節を有し腫大していた.手術はハルトマン手術と左側卵巣腫瘍摘出術を施行した.病理組織検査所見では,S状結腸筋層に既往の乳癌の転移巣を認めた.今回われわれは乳癌腹膜播種再発・消化管転移により腸閉塞をきたした症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.

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参考文献 (17)*注記

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