胆石症と尿膜管遺残症に対する腹腔鏡下同時手術の1例

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  • LAPAROSCOPIC RESECTION OF URACHAL REMNANT WITH OMPHALITIS AND SIMULTANEOUS CHOLECYSTECTOMY-A CASE REPORT-

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抄録

臍炎にて発症し炎症が軽快後,胆石症も同時に腹腔鏡下にて根治術を施行した高齢者の尿膜管遺残症を経験したので報告する.症例は78歳,男性.臍からの排膿を主訴に当院を受診した.血液検査所見で著明な炎症反応を認め,腹部CT検査にて臍部から膀胱頂部にかけて高濃度領域を認めたため尿膜管遺残膿瘍と診断し,抗菌剤とドレナージにより炎症の改善を待った.腹部CTで偶然胆嚢内に結石を認めたため,同時に腹腔鏡下にて手術を施行した.まず左前腋窩線上臍高部,右前腋窩線上臍高部,右季肋下,剣状突起下にトロッカーを挿入し,胆嚢摘出術を施行した.さらにMcBurney点の対側やや左外側に追加し,尿膜管を摘出した.術後経過は良好で,術後4日目に退院した.検索しえた限りでは,胆石症と同時手術した尿膜管遺残症の報告は本邦で初めてである.尿膜管遺残症は腹腔鏡下の適応であり,その症例に応じたトロカールの挿入位置を工夫することが大切であると思われた.

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参考文献 (11)*注記

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