S状結腸魚骨穿通による卵管膿瘍・腹膜炎の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Abscess of the Fallopian Tube with Peritinitis Caused by a Fish Bone Penetrating the Sigmoid Colon
  • 症例 S状結腸魚骨穿通による卵管膿瘍・腹膜炎の1例
  • ショウレイ Sジョウ ケッチョウ ギョコツセンツウ ニ ヨル ランカン ノウヨウ ・ フクマクエン ノ 1レイ

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抄録

症例は85歳,女性.約1週間からの下腹部痛を主訴に前医を受診.穿孔性腹膜炎の診断で当科へ搬送となった.体温は38.5℃,下腹部全体に圧痛を認め,血液検査では著明な炎症反応の上昇を認めた.腹部CT検査では腹腔内遊離ガスとともに,S状結腸の多発憩室と同部の壁肥厚,および骨盤内膿瘍を認めた.以上より,S状結腸憩室穿孔による穿孔性腹膜炎の診断で同日緊急手術を行った.開腹所見では腹腔内に多量の膿性腹水を認め,S状結腸より右卵管へと穿破する異物を認めた.以上より異物による穿孔性腹膜炎と診断し,右付属器切除とHartmann手術を施行した.摘出標本からはS状結腸より右卵管に穿通した35mmの魚骨が検出され,右卵管内膿瘍が疑われた.問診での異物誤嚥の既往は無く,成分分析検査の結果,異物は魚骨であった.魚骨による消化管穿通例の報告は散見されるが,卵管への穿通・膿瘍形成を認めた症例は極めて稀であるため,報告する.

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参考文献 (1)*注記

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