頸部に発生した悪性線維性組織球症の1例

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タイトル別名
  • A CASE OF MALIGNANT FIBROUS HISTIOCYTOMA OF THE NECK

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抄録

今回,頸部に発生した悪性線維性組織球症の1例を経験したので報告する.症例は81歳,男性.感冒様症状にて近医を受診し,その際に頸部の腫瘤を指摘され,当科を紹介受診した.受診時,右側頸部に50×80mm大の可動性良好な腫瘤を触知した.頸部超音波検査,頸部CT検査,頸部MRI検査を施行したところ,右胸鎖乳突筋,舌骨下筋,浅頸筋膜に囲まれた部位に境界明瞭な腫瘍性病変を認めた.穿刺吸引細胞診にてClassVと診断され,甲状腺との明らかな連続性は認めなかったが,甲状腺未分化癌,脂肪肉腫などの軟部腫瘍を疑い,確定診断もかねて腫瘍摘出術を施行した.病理組織学的検査結果はmalignant fibrous histiocytoma(MFH)であり,免疫組織化学にてビメンチン,CD34が陽性であった.MFHの悪性度の高さから追加の拡大切除術,術後化学療法を勧めたが,本人・家族の強い希望にて経過観察し,術後6年後の現在転移再発なく健在である.

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参考文献 (18)*注記

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