膵粘表皮癌と胃癌・大腸癌の同時性3重複癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Synchronous Triple Cancer Consisting of Pancreatic Mucoepidermoid Carcinoma, Gastric Cancer and Colorectal Cancer
  • 症例 膵粘表皮癌と胃癌・大腸癌の同時性3重複癌の1例
  • ショウレイ スイネンヒョウヒガン ト イガン ・ ダイチョウガン ノ ドウジセイ 3 チョウフクガン ノ 1レイ

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抄録

症例は82歳の女性で,大腸がん検診で便潜血陽性を指摘された.大腸内視鏡検査で1型下行結腸癌を認め,術前検査で膵尾部癌および早期胃癌を認めた.cStage IIの下行結腸癌,cStage IVaの膵尾部癌の診断にて膵体尾部・脾合併切除,下行結腸部分切除術を施行した.早期胃癌は内科で経過観察となった.術後1年6カ月で多発肝転移にて永眠された.病理組織学的検査所見にて膵癌は粘表皮癌であった.膵粘表皮癌は非常にまれであり,膵癌取扱い規約では腺扁平上皮癌の亜型として分類されている.膵腺扁平上皮癌は膵癌の約2%とまれだが,早期から転移をきたすなど予後不良である.膵癌と他臓器癌の同時性重複は約3%との報告があるが,膵粘表皮癌との同時性重複癌は検索しえた範囲では報告を認めなかった.膵粘表皮癌がまれであるうえに,今回われわれは胃癌と大腸癌の同時性3重複癌の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

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参考文献 (21)*注記

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