腹腔鏡下切除を施行した骨形成性直腸癌同時肝転移の1例

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タイトル別名
  • A Case of Rectal Cancer with Ossification and Liver Metastasis Simultaneously Resected by Laparoscopic Surgery
  • 症例 腹腔鏡下切除を施行した骨形成性直腸癌同時肝転移の1例
  • ショウレイ フククウキョウ カ セツジョ オ シコウ シタ コツ ケイセイ セイ チョクチョウ ガン ドウジ カン テンイ ノ 1レイ

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抄録

症例は50代,男性.腹部膨満・排便困難を主訴に前医を受診した.直腸癌による腸閉塞,肝転移(S2,6,8)と診断され当科紹介となった.同日,緊急にS状結腸人工肛門造設術を施行し,一週間後,腹腔鏡補助下肝部分切除術+腹腔鏡下低位前方切除術(D3)+人工肛門閉鎖術を施行した.摘出標本による病理組織学的検査では,主腫瘍は高分化腺癌で膀胱への直接浸潤を認め,腫瘍の壊死部近傍には骨形成を認めた.肝転移巣には骨形成を認めなかった.外来補助化学療法を行っていたが,術後10カ月に残肝再発をきたし,術後3年2カ月,外来にて化学療法継続中である.<BR>骨形成性大腸癌の発生頻度は約0.4%であり,腫瘍内部に壊死を伴い,低悪性な癌とされているが,自験例では膀胱浸潤・肝転移を認め,必ずしも低悪性ではないことが示唆された.骨形成性大腸癌の肝転移は比較的稀であり,腹腔鏡下に同時切除した報告は本邦で初であるため報告する.

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