ステントグラフト内挿術を先行した弓部大動脈瘤合併下部胆管癌の1例

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タイトル別名
  • Distal Bile Duct Cancer Complicated by Aortic Arch Aneurysm Treated by Pancreaticoduodenectomy after Thoracic Endovascular Aneurysm Repair
  • 症例 ステントグラフト内挿術を先行した弓部大動脈瘤合併下部胆管癌の1例
  • ショウレイ ステントグラフト ナイソウジュツ オ センコウ シタ キュウブ ダイ ドウミャクリュウ ガッペイ カブ タンカン ガン ノ 1レイ

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抄録

症例は72歳の女性.弓部大動脈瘤に対して開胸手術予定であったが,術前に閉塞性黄疸を発症し当院紹介.胸腹部CT検査では大動脈遠位弓部に50×40mmの嚢状瘤を認め,下部胆管に造影効果を示す壁肥厚を認めた.腹部MRI検査では軽度の肝内胆管拡張を認め,腹部CTで認めた下部胆管の壁肥厚部位は,Diffusion weighted imageで信号上昇を認めた.以上より,弓部大動脈瘤・下部胆管癌と診断.弓部大動脈瘤は50mmの嚢状瘤で,手術適応であったため,弓部大動脈瘤に対してステントグラフト内挿術を先行させた.術後7日目に下部胆管癌に対して膵頭十二指腸切除術を施行した.ステントグラフト内挿術術後に発熱を認めたが,抗菌薬投与により軽快した.また,膵頭十二指腸切除術の術後経過に特記すべきことなく術後23日目に退院となった.切除適応のある悪性腫瘍症例に治療を要する動脈瘤が併存する場合,動脈瘤に対する,ステントグラフト内挿術の先行が有用と考えられた.

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