内反性増殖により粘膜下腫瘍様の形態を呈した早期胃癌の1例

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タイトル別名
  • Early Gastric Cancer with an Inverted Growth Pattern Resembling a Submucosal Tumor—Report of a Case—
  • 症例 内反性増殖により粘膜下腫瘍様の形態を呈した早期胃癌の1例
  • ショウレイ ナイ ハン セイ ゾウショク ニ ヨリ ネンマク カ シュヨウ サマ ノ ケイタイ オ テイシタ ソウキ イガン ノ 1レイ
  • Early Gastric Cancer with an Inverted Growth Pattern Resembling a Submucosal Tumor^|^mdash;Report of a Case^|^mdash;

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抄録

症例は69歳の男性.7年前に胃癌に対して噴門側胃切除・空腸間置再建施行後,採血で貧血を認めたため上部消化管造影を行ったところ残胃前壁に2cmの辺縁が滑らかな隆起性病変を認めた.上部消化管内視鏡では同部位に中心陥凹を伴う粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認め,陥凹部および辺縁からの生検はGroup 1であった.胃局所切除術を施行したところ病理組織学的検査所見は高分化腺癌であり,粘膜深部から粘膜下層にかけて粘膜筋板の陥凹と断裂を伴う内反性増殖を認めた.粘膜下腫瘍様の形態を呈する胃癌の多くはリンパ球浸潤性髄様癌・充実性増殖癌・限局繊維化癌・異所性胃腺癌・粘液癌などであり,内反性増殖から粘膜下腫瘍様の形態を呈した症例はまれである.本症例のように非上皮性腫瘍との鑑別が問題となる胃癌も存在するため,精査が困難な胃の粘膜下腫瘍様病変に対しては外科的切除による確定診断も考慮すべきである.

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