痔核手術を契機に肛門周囲膿瘍および大腸多発穿孔を発症した劇症型アメーバ性大腸炎の1例

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タイトル別名
  • A CASE OF FULMINANT AMEBIC COLITIS THAT DEVELOPED A PERIANAL ABSCESS AND MULTIPLE COLONIC PERFORATIONS FOLLOWING SURGICAL TREATMENT FOR HEMORRHOIDS

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抄録

症例は78歳, 男性. 近医にて痔核手術後に39℃の高熱を伴う肛門周囲膿瘍を合併し, 術後12日目に転院となった. 来院時, 肛門部に巨大潰瘍と直腸に至る膿苔を認め, 右下腹部に約10cm大の弾性硬の腫瘤を触知した. 血液検査上, 著明に炎症反応が上昇しており, 腹部CTにて回盲部・横行結腸の腸管壁肥厚と腫瘤像を認めた. 感染状態の増悪に伴う呼吸循環不全の進行がみられ, 第3病日に開腹術を施行した. 術中, 盲腸および横行結腸~S状結腸に穿孔・膿瘍形成を認め, 回盲部切除術・結腸左半切除術および人工肛門造設術を行った. 切除標本の肉眼所見より劇症型アメーバ性大腸炎を疑い, メトロニダゾールの経腸投与・直腸内投与を開始し, 術後経過は良好であった. 病理組織検査でアメーバ原虫が確認された. 肛門周囲膿瘍および大腸多発穿孔をきたした非常に稀な劇症型アメーバ性大腸炎の1例を経験したので報告する.

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参考文献 (16)*注記

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