心タンポナーデで発症した横隔膜部腹膜原発中皮腫の1例

  • 藤本 崇聡
    国立病院機構九州医療センター肝胆膵外科・臨床研究部
  • 高見 裕子
    国立病院機構九州医療センター肝胆膵外科・臨床研究部
  • 和田 幸之
    国立病院機構九州医療センター肝胆膵外科・臨床研究部
  • 才津 秀樹
    国立病院機構九州医療センター肝胆膵外科・臨床研究部
  • 桃崎 征也
    国立病院機構九州医療センター病理部

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF PERITONEAL MESOTHELIOMA PRESENTED WITH INVASION TO PERICARDIA AND THE LIVER

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抄録

症例は69歳,女性.2008年7月心窩部および前胸部圧迫感を主訴に近医を受診.腹部超音波検査,CTにて肝左葉に巨大肝腫瘤を認め,また胸部レントゲンにて心陰影の拡大あり,心タンポナーデをきたしていた.緊急的に心嚢穿刺し血性心嚢液800ccを吸引(細胞診classI).2008年8月当科紹介.各種画像診断にて肝左葉に10cm超の不整な腫瘤,また心嚢内にも3cm超の腫瘤が存在し,大量の貯留液を認めた.血流豊富な肝血管肉腫を疑い,feederである肝動脈外側区域枝および左右内胸動脈,左下横隔膜動脈の化学塞栓術施行.その約3週間後に心嚢の一部,左横隔膜約60%合併切除を伴う肝外側区域切除を施行した.<BR>病理組織診断は悪性中皮腫.肝と心膜に直接浸潤があるものの,病変の主座より横隔膜原発と考えた.術後pemetrexedとcisplatin(CDDP)による化学療法を6クール施行し,16カ月無再発生存中である.

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被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (18)*注記

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