膵管ドレナージによる保存的治療が有効であったIIIb型外傷性膵損傷の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Type IIIb Pancreatic Trauma in which Surgery Could be Avoided by Pancreatic Drainage
  • 症例 膵管ドレナージによる保存的治療が有効であったⅢb型外傷性膵損傷の1例
  • ショウレイ スイカン ドレナージ ニ ヨル ホゾンテキ チリョウ ガ ユウコウ デ アッタ Ⅲ bガタ ガイショウセイスイソンショウ ノ 1レイ

この論文をさがす

説明

症例は60歳,男性.鉄製の柵に上腹部を強打し当院に救急搬送された.腹部CTで膵頭部損傷を認めた.内視鏡的逆行性膵管造影(ERP)では造影剤の漏出は認めなかったが,膵管損傷を強く疑い内視鏡的経鼻膵管ドレナージ(ENPD)チューブを留置し保存的治療を行った.第2病日のENPD造影検査で膵頭部主膵管より造影剤の漏出を認めIIIb型膵損傷と診断したが,全身状態は安定していたため慎重に保存的治療を継続した.第25病日にENPDチューブを抜去し,内視鏡的逆行性膵管ドレナージ(ERPD)チューブに交換,チューブを留置したまま第36病日に退院となった.受傷3カ月後に造影剤の漏出のないことを確認しERPDチューブを抜去,その後再燃することなく受傷13カ月後に終診となった.<BR>IIIb型膵損傷に対し膵管ドレナージにより手術を回避できる症例が存在するため,その適応や治療方針に関し,今後さらなる症例の集積と検討が必要である.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (4)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ