汎発性腹膜炎のため大腸亜全摘術を余儀なくされた偽膜性大腸炎の1例

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  • A Case of Peritonitis Caused by Fulminant Pseudomembranous Colitis Requiring Subtotal Colectomy

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説明

症例は69歳の男性で,SLEおよび消化管出血の治療目的で当院内科に紹介された.出血源である胃毛細血管拡張症に対し,アルゴンプラズマ凝固療法を施行し中心静脈栄養を開始した.第8病日から発熱が認められ,静脈カテーテルの交換,抗生剤,抗真菌薬を投与し解熱した.第26病日,下痢が出現しC.D.チェック·D-1陽性のため,偽膜性腸炎の診断でvancomycinの経口投与を開始した.第30病日には炎症所見が増悪し,腹部膨満と腹部全体に筋性防御が出現したため,汎発性腹膜炎の診断で大腸亜全摘術を施行した.経口摂取できるまで回復したが,その後,肺炎と意識障害が認められ術後27日目に死亡した.剖検結果から死因はムーコル症の全身感染症であった.<br> 文献的に,速やかな診断と内科的治療に抵抗性で腹膜炎や全身状態が急速に増悪する重症偽膜性大腸炎は予後不良であり,緊急手術の適応である.<br>

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