肝切除および両側副腎全摘術を施行した大腸癌肝副腎転移の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Hepatectomy and Bilateral Adrenalectomy for Liver and Adrenal Metastases from Colorectal Cancer
  • 症例 肝切除および両側副腎全摘術を施行した大腸癌肝副腎転移の1例
  • ショウレイ カン セツジョ オヨビ リョウガワ フクジン ゼンテキジュツ オ シコウ シタ ダイチョウ ガン カン フクジン テンイ ノ 1レイ

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抄録

症例は69歳,男性.S状結腸癌の同時性肝S6転移および両側副腎転移で当科初診.原発巣切除後に化学療法を5コース施行後,開腹肝後区域切除術および両側副腎全摘術を施行した.右副腎腫瘍は肝臓に直接浸潤しており,肝後区域とen blocに右副腎を全摘出した.左副腎も腫瘍に占拠されており全摘出した.術前副腎皮質機能の低下は認めず,肝切除に際して術中肝門遮断前にメチルプレドニゾロンを点滴静注したため,ヒドロコルチゾン点滴静注によるステロイド補充療法を翌日より開始した.以後漸減して術後6日目に維持量であるヒドロコルチゾン15mg/dayの内服へ変更し,急性副腎不全を発症せず軽快退院した.本邦において,大腸癌の副腎転移に対する一期的両側副腎全摘術の報告はない.今回われわれは,大腸癌肝副腎転移に対し,ステロイド補充療法を併用して安全かつ一期的に肝切除と両側副腎全摘術を施行しえたので報告する.

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参考文献 (6)*注記

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