II.痔瘻の診断

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  • Assessment and Diagnosis of Anal Fistula

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抄録

肛門周囲膿瘍や痔瘻を診断するということは,その病変が肛門管内に原因があって発生した膿瘍あるいは瘻管なのかを判断し,それがどのような型なのかを分類することである.したがって診断には肛門周囲膿瘍と痔瘻の分類を述べることが不可欠であり,本稿ではわれわれが提唱した痔瘻の新分類を取り上げ,それに則した診断について述べた.診断には症状を問診するとともに視診・指診を行う.必要に応じて瘻管造影やMRIなどの画像診断も加える.深部の膿瘍や痔瘻は表面には現れないので注意が必要である.痔瘻診断で最も重要なのは指診,特に双指診である.手術は視診と双指診で病態を判断しながら進めてゆくので,普段から指診の精度を高めてゆく姿勢が望まれる.肛門周囲膿瘍はフルニエ壊疽など命にかかわる壊死性肛門周囲感染症の場合もあり見逃さないようにしなければならない.鑑別を要する疾患には,癤,膿皮症や毛巣洞,バルトリン腺嚢胞・膿瘍などがある.

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