大腸癌治療ガイドライン

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公開日
2006
DOI
  • 10.3862/jcoloproctology.59.475
公開者
一般社団法人日本大腸肛門病学会

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説明

大腸癌の頻度はこの四半世紀に4~5倍に増加している.それに対応して治療成績を向上させる工夫がなされて,一定の成果を収めている.しかし,大腸癌は一般的な疾患になってきたが,専門病院で向上したのと同様の成果が,日本全国の大腸癌治療を行っている病院において得られているとは限らない.大腸癌研究会では,一般診療として大腸癌を扱う医師を対象として,標準的治療方針を提示することにより,(1)施設問格差をなくす,(2)過剰診療・過小診療をなくす,(3)治療法の公開,を目的として,「大腸癌治療ガイドライン」と「大腸癌治療ガイドラインの解説」を作成した.「大腸癌治療ガイドライン」の作成においては,大腸癌の内視鏡治療や外科治療ではランダム化比較試験がほとんどないことや手術治療の質が欧米とは異なることから,治療方針の作成根拠は大腸癌研究会で蓄積されたデータやプロジェクト研究の成果を用い,専門家のコンセンサスとして提示した.切除不能大腸癌に対する化学療法は欧米でのランダム化比較試験の結果を用いた.また,記載は簡潔にし,アルゴリズムや図を多用した.<BR>内視鏡治療はM癌ないしはSMへの軽度浸潤と診断した癌で2cmまでの病変を対象とし,一括切除を原則とする.病理診断でSMへの浸潤距離が1000μm未満であれば経過観察とする.SMへの浸潤距離が1000μm以上であればリンパ節転移率が11%あるため,低分化腺癌や脈管侵襲陽性と同様に,患者と相談し治療方針を決めることとした.外科手術でのリンパ節郭清度は深達度に応じて推奨し,Stage IではD2郭清を,Stage IIとStage IIIではD3郭清とした.Stage IVでは遠隔転移巣が切除可能であれば,原発層とともに切除することを推奨した.<BR>術後補助療法や切除不能大腸癌に対する化学療法は欧米でのランダム化比較試験を参考にした.しかし,手術成績が関与する補助療法に関しては,訪米での臨床試験結果をそのまま導入することはできない.また,大腸癌化学療法は,新薬や投与スケジュール,治療成績含め急速に改良・改善してきていることから,早い段階での改訂が必要である.大腸癌では,他の固形癌とは異なり,血行性再発しても外科治療により根治が得られることがある.したがって,治癒切除後も定期的に検査が行われている.治癒切除後の再発時期,再発形式を分析し,その結果と伴に術後のサーベイランス法の例を提示した.<BR>一方,「大腸癌治療ガイドラインの解説」では,大腸癌の治療法・治療方針が十分に理解できるように,「ガイドラインを理解するための基礎知識」に重点を置いた.<BR>今後は,改訂に向けて「大腸癌治療ガイドライン」と「大腸癌治療ガイドラインの解説」に関するアンケート調査を行う予定である.

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