下部直腸・肛門管と腟の接合部の組織構築と神経分布

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  • Histological Configuration and Nerve Distribution of the Anal Canal/Inferior Part of the Rectum with Special Reference to the Attachment to the Vagina

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抄録

下部直腸・肛門管と腟の間の組織構築および神経分布を検索するため,成人献体10体から矢状断ないし斜め水平断の組織切片を作成,弾性線維染色および神経免疫組織染色を施した.矢状断では,弾性線維に富む連合縦走筋が,会陰体外側延長部(LEPB)と内肛門括約筋の間を下行,外肛門括約筋に放散していた.前束と後束に分かれ,前束がLEPB内に放散することもあった.いわゆる直腸腟中隔は薄くかつ寸断されており,下部直腸・肛門管と腟の間の唯一恒常的な中隔組織は,連合縦走筋であった.神経は,直腸・肛門管側より腟側の方が明らかに多く,上下に斜走していた.水平断では,直腸前側方の傍腟組織内におよそ前後方向に配列する多数の神経を認めた.これらの神経の80%以上は,圧覚などの有髄線維・痛覚線維および自律神経の混合神経であった.直腸瘤の外科的治療などで同部に進入する際は,連合縦走筋の腟側面に沿う剥離層が神経温存に適切と思われた.

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参考文献 (32)*注記

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