腸管子宮内膜症より発生した類内膜腺癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Endopelvic Tumor that was Difficult to Differentiate from Rectal Cancer

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抄録

症例は50歳代女性.45歳時に右腎盂癌(T1a,N0,M0,G1>G2,INFβ)にて右腎摘出,尿管引き抜き術施行.以後3~6ヵ月ごとに定期検査が行われていた.2009年1月から下腹部痛と肛門痛が出現し,近医受診.大腸内視鏡では直腸S状結腸部(以下Rs)の粘膜に浮腫性変化を認め,CTで膀胱背側左側に不均一な造影効果を示す約5cm大の腫瘤性病変を認め,直腸粘膜下腫瘍が疑われた.腫瘍による腸管の圧排によるイレウス状態となったため,2009年3月23日直腸低位前方切除を行った.摘出標本ではRsから間膜側右側に5.7×5.8×4.0cmのやや弾性の腫瘤を認め,粘膜側に異常所見は認めなかった.病理組織検査で腸管子宮内膜症を発生母地とする類内膜腺癌と診断した.術後に当院婦人科にて卵巣癌に準じた化学療法Docetaxel(70mg/m2)+Carboplatin(AUC5)(以下DJ療法)を行っており,術後43ヵ月無再発生存中である.

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