クリオグロブリン血症を合併した重症大動脈弁狭窄症の1例

  • 岡元 崇
    国立病院機構別府医療センター心臓血管外科
  • 木村 龍範
    国立病院機構別府医療センター心臓血管外科
  • 久米 正純
    国立病院機構別府医療センター心臓血管外科

書誌事項

タイトル別名
  • Severe Aortic Stenosis in a Patient with Cryoglobulinemia
  • 症例 クリオグロブリン血症を合併した重症大動脈弁狭窄症の1例
  • ショウレイ クリオグロブリン ケッショウ オ ガッペイ シタ ジュウショウ ダイドウミャクベン キョウサクショウ ノ 1レイ

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抄録

症例は80歳,男性.労作時息切れにて近医を受診し,心臓超音波検査の結果,大動脈弁口0.51cm2,左心室-大動脈の圧格差は最大93mmHg,平均41mmHgの重症大動脈弁狭窄症を認めた.人工心肺使用下に大動脈弁置換術を行ったが,既往歴にクリオグロブリン血症性紫斑病を有していた.クリオグロブリン血症の患者は寒冷刺激によって塞栓症を起こすことがあるため,手術では通常の中等度低体温法ではなく,常温体外循環下で手術を行い,さらに,常温順行性間欠的冠灌流法と逆行性持続的冠灌流法にて心筋保護を行った.その他,ブランケットでの加温などで体温を37℃以上に保った.周術期に重篤な合併症を起こすことなく術後19日目に退院となった.周術期に血漿交換は行わなかった.<BR>比較的稀なクリオグロブリン血症を有する重症大動脈弁狭窄症に対する常温体外循環下での手術例を経験したので,文献的考察を交えて報告する.

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参考文献 (3)*注記

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