テロメラーゼ依存性腫瘍融解ウイルス療法の骨・軟部肉腫に対する前臨床的検討

  • 佐々木 剛
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 整形外科学
  • 田澤 大
    岡山大学病院 新医療研究開発センター 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
  • 長谷井 嬢
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 整形外科学
  • 国定 俊之
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 整形外科学 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 運動器医療材料開発
  • 吉田 晶
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 整形外科学
  • 橋本 悠里
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
  • 矢野 修也
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
  • 吉田 亮介
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
  • 宇野 太
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
  • 香川 俊輔
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
  • 森本 裕樹
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 整形外科学
  • 浦田 泰生
    オンコリスバイオファーマ
  • 藤原 俊義
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器外科学
  • 尾﨑 敏文
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 整形外科学

書誌事項

タイトル別名
  • Preclinical evaluation of telomerase-specific oncolytic virotherapy for human bone and soft tissue sarcomas
  • 平成23年度岡山医学会賞(山田賞) テロメラーゼ依存性腫瘍融解ウイルス療法の骨・軟部肉腫に対する前臨床的検討
  • ヘイセイ 23ネンド オカヤマ イガッカイショウ(ヤマダショウ) テロメラーゼ イソンセイ シュヨウ ユウカイ ウイルス リョウホウ ノ ホネ ・ ナンブ ニクシュ ニ タイスル ゼン リンショウテキ ケントウ

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抄録

骨・軟部肉腫は, 一部に治療抵抗性で予後の悪い症例が存在するため, 新たな治療法の確立が重要な課題である. 我々は, 5型アデノウイルスを基本骨格として, テロメラーゼ活性に依存して増殖する腫瘍融解ウイルス(OBP-301)や, coxsackie and adenovirus receptor(CAR)陰性の腫瘍細胞に感染するファイバー改変型ウイルス(OBP-405)を用い, 骨・軟部肉腫細胞に対する抗腫瘍効果を検討した. 14種類の骨・軟部肉腫細胞株に対してOBP-301の細胞障害活性を検討し, 12種類の細胞株でOBP-301に感受性を認めた. また, OBP-301の細胞障害活性はCARの発現と相関していた. さらに, テロメラーゼ活性の低い細胞に対しても, 5型アデノウイルスの複製に必須のE1Aによりテロメラーゼ活性の増強効果がおこり, 強い抗腫瘍活性を示すことを明らかにした. 次に, 骨肉腫脛骨同所性移植動物モデルを作成しOBP-301を投与したところ, OBP-301投与群では対象群と比べて有意に腫瘍増殖を抑制した. 最後に, OBP-301に感受性を認めなかったCAR陰性細胞株に対してOBP-405を用いて検討し, OBP-405が有効に作用することを確認した. OBP-301やOBP-405を用いたウイルス療法は, 骨・軟部肉腫に対する新たな治療法となる可能性がある.

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参考文献 (11)*注記

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