心理的ストレス後に味覚障害と食欲不振が出現したCronkhite-Canada症候群の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Cronkhite-Canada Syndrome Presenting with Dysgeusia and Anorexia which Seemed to Have Developed after Psychological Stress
  • 症例研究 心理的ストレス後に味覚障害と食欲不振が出現したCronkhite-Canada症候群の1例
  • ショウレイ ケンキュウ シンリテキ ストレス ゴ ニ ミカク ショウガイ ト ショクヨク フシン ガ シュツゲン シタ Cronkhite-Canada ショウコウグン ノ 1レイ

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説明

<p>症例は, 78歳, 女性. 主訴は味覚障害, 食欲不振, 体重減少, 手指の色素沈着および脱毛. 義歯装着後に味覚障害が出現したが, 歯科的異常所見を認めず, うつ病の既往も考慮され当院心療内科受診となった. 上部消化管内視鏡検査では早期食道がんと胃・十二指腸のポリポーシスを認めた. その病理組織学的所見では, 消化管上皮の過形成, 間質の浮腫, 炎症細胞の浸潤を認めた. 下部消化管内視鏡検査でも上行結腸から下行結腸にかけてポリポーシスを認めた. 以上より, Cronkhite-Canada症候群と診断した. 本症例では, mesalazineとprednisoloneを投与し, 味覚障害には心理的ストレスが増悪因子と判断されたため支持的精神療法を併用した. その結果, 味覚障害は軽快した. 味覚障害や食欲不振と皮膚などの外胚葉系の異常が, Cronkhite-Canada症候群の初期症状として報告されているが, 発症に心理的ストレスが関与するといわれている. 今回われわれは, 心理的ストレス下で味覚異常が主訴となったCronkhite-Canada症候群の1例を報告する.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 57 (3), 272-281, 2017

    一般社団法人 日本心身医学会

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