心身医学的アプローチが有効であった身体表現性障害を合併した食物アレルギーの1例

  • 西原 智恵
    九州大学病院心療内科 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所心身医学研究部
  • 菊地 裕絵
    国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所心身医学研究部
  • 安藤 哲也
    国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所心身医学研究部
  • 岩永 知秋
    独立行政法人国立病院機構福岡病院
  • 須藤 信行
    九州大学病院心療内科 九州大学大学院医学研究院心身医学

書誌事項

タイトル別名
  • Psychosomatic Treatment is Effective for Treating a Patient with Food Allergy and Coexisting Somatoform Disorder : A Case Report
  • 症例研究 心身医学的アプローチが有効であった身体表現性障害を合併した食物アレルギーの1例
  • ショウレイ ケンキュウ シンシン イガクテキ アプローチ ガ ユウコウ デ アッタ シンタイ ヒョウゲンセイ ショウガイ オ ガッペイ シタ ショクモツ アレルギー ノ 1レイ

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説明

<p>食物アレルギーは多様な症状をきたしうるが, 心理的要因や併存しうる身体表現性障害を考慮した診療が行われなければ, 症状が遷延し重篤となりうる. 今回, 食物アレルギーと身体表現性障害を併存し, 身体的介入のみを受けたため多彩な症状が遷延し, 高度な生活障害に至った症例を経験した. 心身医学的介入が症状の改善に有効であったため報告する. 症例 : 40代, 女性. 2年前よりさまざまな食品を摂取した後に発疹, 腹部膨満, 四肢脱力, 情緒不安定などの症状が出現するようになった. 複数の医療機関で食物アレルギーが疑われ, 穀物・果物全般の除去を指導されたが症状は持続. 精査を希望しアレルギー科を受診した際, 四肢脱力をきたし緊急入院となった. 評価では, 食物アレルギー症状以外の症状を説明できる器質的異常を認めず, 身体表現性障害の合併が疑われた. 入院下の行動制限, 外来での情動への対処や自己主張の指導により, 身体表現性障害症状は改善し, 食物アレルギー症状も自制内となった.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 57 (3), 264-271, 2017

    一般社団法人 日本心身医学会

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