パニック障害患者への心肺運動負荷試験

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タイトル別名
  • Cardiopulmonary Exercise Testing on Patients with Panic Disorder
  • パニック障害患者の心肺運動負荷試験
  • パニック ショウガイ カンジャ ノ シンハイ ウンドウ フカ シケン

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説明

パニック障害患者(PD)の病態にnoradrenaline作動系の過興奮仮説や乳酸の不安誘発閾値低下が報告されているが, いまだ明らかでない。PDと健常者各10名にAT(anaerobic threshold)に達する心肺運動負荷試験を行い, 内因性の乳酸上昇が恐慌発作を誘発するか否かを調べ, 運動によるカテコラミンの過剰応答の有無を健常者と比較した。全例のPDはATに達し, 乳酸上昇にもかかわらず, 運動による発作は誘発されなかった。PDの%ATは良好であったが, 最大酸素摂取量・時定数は著明に低下・延長していた。PDのnoradrenaline, dopamineは著明な上昇を示した。PDの運動機能低下の特徴はpoor effortとdeconditioningである。パニック発作の発症機序にexcess catecholaminopathyの関与が推察されたが, PDへの心肺運動負荷試験は患者に認知療法的効果をもたらすと考えられた。

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 37 (2), 143-150, 1997

    一般社団法人 日本心身医学会

参考文献 (20)*注記

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