不安と抑うつの共存 : 最近の話題と今後の展望(不安と抑うつの基礎と臨床)(第37回日本心身医学会総会)

書誌事項

タイトル別名
  • Comorbidity of Anxiety and Depression : Current view and future perspective(Bases and Clinical Practice of Anxiety and Depression)
  • 不安と抑うつの共存--最近の話題と今後の展望
  • フアン ト ヨクウツ ノ キョウゾン サイキン ノ ワダイ ト コンゴ ノ テ

この論文をさがす

説明

不安と抑うつには, 症状水準における重複があることがよく知られており, 診断水準の重複は共存と呼ばれている。プライマリーケアを受診する患者では, 公式な診断基準を満たさないが不安や抑うつ状態を示す例が多く, そのうち不安と抑うつが重複している例では, 社会的障害が大きく, 早期に認知し治療を行っても予後の改善がないという。強い不安症状を合併するうつ病を, 治療反応性や予後の観点から不安うつ病として分離する研究者もいる。国際疾患分類第10版では, 両者とも正式の診断基準を満たさないが不安と抑うつ症状が混在する混合性不安抑うつ障害という診断カテゴリーを新しくつけ加えた。共存という概念は, 診断のための生物学的指標がない精神障害診断のあいまいさに由来しているが, 治療という視点からみると, よりよい治療方略を提供するための手がかりとなりうるであろう。

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 37 (3), 247-252, 1997

    一般社団法人 日本心身医学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (29)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ