「不安と抑うつの薬理生化学的基礎と臨床」

  • 中嶋 照夫
    京都府立精神保健福祉総合センター:京都府立医大

書誌事項

タイトル別名
  • The Neurochemical and Phamacological Bases and Clinical Aspects of Anxiety and Depression
  • フアン ト ヨクウツ ノ ヤクリ セイカガクテキ キソ ト リンショウ

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抄録

精神医学のみならず臨床医学全般にわたって重要かつ基本的な症状である不安と抑うつの神経や栗生理化学的背景について述べ、これらの状態の最近の話題を紹介した。このような研究の展開の中で、最近増加しているストレスにより誘発されるうつ秒の発現機序をセロトニン神経系に焦点をあて、特に慢性ストレスによって生じる高コルチゾール血症によって惹起されるセロトニン神経系の5-HT_1と5-HT_2サブタイプ系機能のインバランスを中心に述べた。抑うつの発現に関しては個人の有する脆弱性があり、家族を含めた社会からの支え、両親からのよい養育体験、強い自尊心などの反張要因が関与しているとされているが、これらの反張要因の発現を、5-HT_1サブタイプ系が脳の海馬の部位で調節していると考えられる。したがって、この神経系を正中縫線核-海馬セロトニン反張機構と呼ぶことができる。

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 36 (Abs), 41-, 1996

    一般社団法人 日本心身医学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (3)*注記

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