結婚後に発症した神経性無食欲症の入院治療の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Successful Inpatient Therapy for Anorexia Nervosa in a Married Woman
  • 臨床経験 結婚後に発症した神経性無食欲症の入院治療の1例
  • リンショウ ケイケン ケッコン ゴ ニ ハッショウ シタ シンケイセイ ムショクヨクショウ ノ ニュウイン チリョウ ノ 1レイ

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抄録

著者らは,結婚後に発症した神経性無食欲症の治療を経験した.本稿では,症例の治療経過について報告し,臨床的特徴および家族関係と,その治療的介入について考察した.症例は,結婚生活を契機に,思春期に未解決のままの分離個体化の問題に直面し発症したものと思われた.両親は過保護,過干渉,夫は放任で,患者をほどよい距離で見守ることが困難であつた.治療スタッフは,食事という葛藤場面に付き添い,患者の気持ちに関心を向けながら見守るようにした.また,治療者は,患者自身が自分の気持ちを整理できるまで家族は見守るよう,猶予期間を提察した.それらの対応は,患者の分離個体化を促すのに有効であつたと思われた.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 44 (2), 141-147, 2004

    一般社団法人 日本心身医学会

参考文献 (9)*注記

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