心身症発症の分子メカニズム

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タイトル別名
  • Molecular Mechanisms of Psycho-somatic Disorders
  • 招聘講演 心身症発症の分子メカニズム
  • ショウヘイコウエン シンシンショウ ハッショウ ノ ブンシ メカニズム

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説明

心身症発症の基盤となる心身相関のメカニズムについて述べる.ストレスによる脳の賦活がストレス応答(HPA axisの亢進と交感神経系の活性化)を起こし, 血中のglucocorticoid(GC)とカテコラミンの増加が末梢臓器や免疫系に影響を与え, 慢性ストレスの状態ではさまざまな心身症が発症する.immediate early genes(IEGs)発現をマーカーとして, その過程を可視化した.心臓では, 精神的なストレスで心電図変化とともに心筋細胞にIEGs発現がみられたが, これは急激なカテコラミンの増加によるものであった.慢性ストレス時, HPA axisの亢進に拍車をかけるのが, 海馬の機能障害であり, BDNFの産生低下もその一因であろう.末梢で産生されるサイトカインやレプチンが脳に働くメカニズムについても述べる.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 42 (3), 167-176, 2002

    一般社団法人 日本心身医学会

参考文献 (23)*注記

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