がんの自然退縮に関する研究 : 実存的転換の条件(シンポジウム/サイコオントロジーの新たな展開)(第44回日本心身医学会総会)

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on Spontaneous Regression of Cancers : the Conditions of Existential Shift(Symposium/New Perspective of Psycho- oncology)
  • がんの自然退縮に関する研究--実存的転換の条件
  • ガン ノ シゼンタイシュク ニ カンスル ケンキュウ ジツゾンテキ テンカン ノ ジョウケン

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説明

専門医により予後不良と診断された末期がん患者28例に対し,補剤を投与し,実存分析的なアプローチを加え,全人的医療を試みた.その効果について,レトロスペクティブに検討した.評価は,主観的にはQOL調査票を用いてQOLを評価し,客観的には尿17-KS-S(以下,S),17-OHCS(以下,OH),S/OH比を用いた.補剤である十全大補湯,紅参末,コエンザイムQ10を用い,さらに実存分析を基盤とした心理療法を行った.その結果,延命効果(6カ月未満から平均18カ月へ)とQOLの改善(特に食欲と疼痛)が認められ,低下していたS,S/OH比が上昇した.さらに,6例が実存的転換を示した.転換群と非転換群の身体・心理・社会・実存的条件を比較した.トータルQOL,食欲,高S,至高体験,意味への気つきが転換群で優れていた.また,死の様態では転換群に尊厳死が多かった.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 44 (7), 479-486, 2004

    一般社団法人 日本心身医学会

参考文献 (15)*注記

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