生活習慣病に潜む心理社会的ストレス(パネルディスカッション : 生活習慣病と心身医学,2007年,第48回日本心身医学会総会(福岡))

  • 中尾 睦宏
    帝京大学医学部衛生学公衆衛生学・心療内科

書誌事項

タイトル別名
  • Psychosocial Stress in Diseases Related to Lifestyles(Panel Discussion : Diseases Related to Lifestyles and Psychosomatic Medicine)
  • 生活習慣病に潜む心理社会的ストレス
  • セイカツ シュウカンビョウ ニ ヒソム シンリ シャカイテキ ストレス

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抄録

心理社会的ストレスは生活習慣病の発症や途中経過に深く関与している.日本で策定されたメタボリックシンドロームの診断基準は,各項目が健康診断で簡便に測定でき,動脈硬化を原因とする心血管疾患を明確なエンドポイントにしているので,生活習慣の予防的戦略が立てやすくなった.今こそ公衆衛生学と臨床医学が一致団結して生活習慣病に取り組むチャンスであり,心身医学はその牽引役になりえる.パネルディスカッションでは心理社会的ストレスの1つとして職場ストレスに注目した.任期制雇用研究者が定年制雇用研究者と比べ,労働時間が長く疲労を頻繁に自覚していることを明らかにした.また5年間のコホート調査により,任期制雇用研究者が定年制雇用研究者と比べ,総コレステロールを経年的に増加させてHDLコレステロールを経年的に減少させる可能性を示した.生活習慣の予防のためには,個人ベースだけのアプローチだけでなく,職域を含む集団ベースのアプローチも重要となる.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 48 (3), 195-203, 2008

    一般社団法人 日本心身医学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (11)*注記

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