メタ認知療法(<特集>認知/行動療法)

  • 今井 正司
    早稲田大学重点領域研究機構応用脳科学研究所:早稲田大学研究院
  • 今井 千鶴子
    早稲田大学人間総合研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Metacognitive Therapy(<Special Issue>Cognitive and Behavioral Therapies)
  • メタ認知療法
  • メタ ニンチ リョウホウ

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説明

本論では,Wellsが開発したメタ認知療法(Metacognitive Therapy:MCT)の理論的背景とその技法について概観した.はじめに,MCTの中核的な理論である自己調節実行(Self-Regulatory Executive Function:S-REF)モデルについて論じた.S-REFモデルは,メタシステム(metasystem unit),下位処理ユニット(low-level processing unit),S-REFユニット(S-REF unit)で構成されており,すべての感情障害に関連してみられる認知注意症候群(Cognitive Attention Syndrome:CAS)と呼ばれる非適応的な認知処理様式について説明するモデルである.CASへの主要な介入としては,メタ認知的信念を変容させる方法と,注意の柔軟性を向上させる方法がある.メタ認知的信念に介入する方法については,全般性不安障害の患者さんを例に,「心配の内容」ではなく「心配の機能」に着目する必要があることを論じた.注意の柔軟性に介入する方法としては,注意訓練(Attention Training:ATT)の理論的背景とその技法について,S-REFモデルを用いて論じた.最後に,MCTの効果的な適用とその基礎モデルの発展に関して考察がなされた.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 51 (12), 1098-1104, 2011

    一般社団法人 日本心身医学会

参考文献 (17)*注記

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