主観的幸福感に着目した心身相関の新展開(シンポジウム:Neuroimagingの新展開,2010年,第51回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(仙台))

書誌事項

タイトル別名
  • Psychosomatic Approach to Health from the Perspective of Positive Psychology(Symposium/New Developments of Neuroimaging)
  • 主観的幸福感に着目した心身相関の新展開
  • シュカンテキ コウフクカン ニ チャクモク シタ シンシン ソウカン ノ シン テンカイ

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抄録

本研究では「幸福感」に着目し,幸福感の脳神経基盤および幸福感が脳と身体の機能的関連に及ぼす影響を明らかにすることを試みた.実験の結果,高幸福群では低幸福群に比べて,ポジティブ感情喚起時の内側前頭前野・腹側線条体(脳内報酬系)活動が有意に高く,報酬系活動を抑制する末梢炎症性サイトカイン濃度が低いことが明らかとなった.また,カンナビノイド受容体遺伝子多型と幸福感との関連を解析した結果,カンナビノイドの受容体に対する結合能が高いCC/CT遺伝子型群では,TT群よりも主観的幸福感が高いこと,末梢炎症性サイトカイン濃度が低いこと,そして内側前頭前野活性が高いことが示された.本研究から,幸福感を維持するメカニズムとして脳内報酬系機能,炎症性サイトカイン,内因性カンナビノイドの関連が示唆された.本研究の研究成果から,今後心身の健康を維持するための予防医学的アプローチなどが展開されていくことが期待される.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 51 (2), 135-140, 2011

    一般社団法人 日本心身医学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (10)*注記

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